汚泥とは何か、特徴、代表的な8つの処理方法(再生利用方法)について紹介しています。
汚泥は、排水の処理過程で発生する泥状の産業廃棄物の一種です。汚泥には、下水処理場、食品工場、紙・パルプ工場等から排出される「有機汚泥」と、土木工事現場、浄水場、金属メッキ工場等から排出された金属を多く含む「無機汚泥」の2種類があります。
汚泥の扱いについては、循環型社会形成推進基本法で、優先順位の高い順に下記の方法が推進されています。
1.発生抑制
2.再使用
3.再生利用
4.熱回収
5.適正処分
基本的には、発生抑制、再利用を行って、廃棄物の量を減らすこと、再生利用することが望ましいですが、汚泥の場合は、その性質や含有物によっても処理方法が変わってきます。
下水処理の過程で発生する「下水汚泥(有機汚泥)」のリサイクル法として普及している方法。適切に水分を除去し、発酵させて堆肥を作ることで、緑農地で再生利用します。
下水処理の過程で発生する「下水汚泥(有機汚泥)」は、メタン発酵させて、メタンガスとして販売・再生利用する方法もあります。
生産工場、上下水処理場、発電所などから発生した「下水汚泥(有機汚泥)」は、セメントの原燃料としても再生利用されています。1990年以降、セメント原料化の開発・普及が進んだことで、下水汚泥全体のリサイクル率の向上に貢献しています。
下水汚泥に次いで発生量の多い、紙・パルプ業由来の汚泥は、脱水後に焼却処分するのが一般的。焼却時に出る廃熱を利用して発電したり、焼却灰を土壌改良材やセメント原料に利用するケースもあります。
建設現場から排出される浚せつ汚泥、燃え殻、ばいじんなどの「建設汚泥(無機汚泥)」を薬剤によって無害化し、機械で造粒固化します。骨材などとして再生利用が可能です。
工場、自動車、船舶などから排出される「鉱物潤滑油系汚泥」の油分と水分を分離させて処理する方法。油分は、再生重油として販売できます。
有害金属を含んだ「無機汚泥」は、燃料や電気により溶融温度以上に加熱することで、有害物金属の抽出や、有害成分の無害化を行います。処理過程で発生したスラグは、路盤材や骨材などに使われます。
埋立処理する際は、種類や性状により、持ち込むべき処分場がことなり、安定型処分場・遮断型処分場・管理型処分場の3つがあります。近年では、処理費用の値上げや受け入れを断られることも増えています。
汚泥の中でも最も発生量の多い「下水汚泥(有機汚泥)」の処理は、コンポを導入することで、低コストでカンタンに堆肥化し、再生利用することができます。当サイトではおすすめのコンポを紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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