開放式(ロータリー・スクープ攪拌)の堆肥化の特徴、メリット、デメリット、価格・コストなど、詳しくお伝えしています。
ある程度土地が広い方におすすめ
開放式(ロータリー・スクープ攪拌)は、養豚や養鶏、肥育牛の糞尿をロータリーやスクープで攪拌しながら堆肥化させる方式です。発酵機によって、攪拌する範囲は、円形、楕円、直線型と、さまざま。1日数回、範囲内を少しずつ移動しながら攪拌することで、ほぼ1ヶ月で堆肥化が終えるように設計されています。
機械の導入には、攪拌するためのスペースが必要です。また、臭気対策が難しいことから、酪農家さんによっては、導入できないケースもあります。
密閉型攪拌方式と同様、ボタン1つで撹拌、搬送、逆搬送の切替しができます。発酵機によっては、24時間自動運転ができるものや、タイマー制御、帰りの速度を2倍・4倍にするなどのスピード調整ができるものも。材料の投入と製品の搬出以外は、無人運転ができるので、人員コストが削減できます。
材料1kgあたりの処理費用は2.9円程と、密閉型攪拌方式に次いで、ランニングコストが安価です。
参照元:(PDF)堆肥化処理施設評価書(http://www.chikusan-kankyo.jp/kkg/kkg_02/kkg_02_05c.pdf)
断熱密閉された大型発酵機を使用する密閉型攪拌方式と比べると、ロータリー・スクープ式は、メンテナンスが容易に済みます。
開放式なので、悪臭が漏れてしまうのが難点です。対策としては、複数の薬剤や脱臭装置を使ったり、ビニルハウスで発酵装置ごと覆う方法などがありますが、いずれの場合も、臭気対策だけで大きなコストが発生します。近隣から苦情が来るケースも多いので、近くの農家と協力したり、撹拌の時間帯を考慮するなどの配慮を行うと良いでしょう。
外で攪拌を行うため、冬場や寒冷地では発酵が進まないことがあります。天候の影響も受けやすいため、年間を通じて安定した運転をするのは難しいかもしれません。
参照元:各処理施設の標準モデルにおける建設コスト試算(PDF)酪農経営における撹拌型堆肥化施設の導入指針(https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/036/805/h13_shidou52.pdf)
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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