畜産農家が堆肥化施設を導入するメリット、デメリットについてお伝えしています。
最近は、畜産農家でも堆肥化施設を導入するところが増えています。家畜ふんの堆肥化には、次のようなメリットがあります。
家畜ふんの処理方法には、堆肥化のほか、乾燥処理、炭化・焼却処理、液肥化、メタン発酵処理、汚水・浄水処理などの方法があります。中でも、最も環境への負担が少なく、低コストで処理できるのが堆肥化なのです。
日本の家畜排せつ物の年間発生量は、約8千万トンあり、東京ドームの容積の約75倍ほどあると言われています。※参照元:農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/t_mondai/02_kanri/)
同じくバイオマス資源として利用される食品廃棄物、間伐材などの林地残材と比べると、その割合は最も多く、全体量の1/4を占めるほどに。家畜ふんから多量のバイオマス資源を作ることで、環境への負担を大きく減らし、農地にも恩恵をもたらすことができます。
家畜ふんから作る堆肥は、作物にとっても良質な有機質肥料のひとつ。そもそも家畜ふんには、有機物、窒素、リンなどといった肥料成分が程よく含まれていて、堆肥化させることで、土壌や作物にとって優れた栄養分となります。
適切な方法で家畜ふんを好気性発酵させれば、悪臭をなくしたり、病原菌、害虫を死滅させることができます。
畜産農家にとっては、作った堆肥をペレット化するなどして、販売できるのもメリットと言えるでしょう。近隣の農家や小学校に譲渡するなど、地域にも貢献できます。
環境や畜産農家にとってもさまざまなメリットがあることから、家畜ふんの望ましい処理方法とされている堆肥化ですが、次のようなデメリットも挙げられます。
堆肥化を行うためには、堆肥舎をはじめとする施設の導入費用や、ランニングコストがかかります。施設を導入したとしても、水分調整や通気性の確保が上手くいかず、発酵が進まずに作業量ばかりが増えてしまうケースも。作業量をなるべく減らして、効率的に堆肥化を行うには、あらかじめ機械に発酵を任せられる密閉型攪拌方式(コンポ)などの施設を導入する方法もあります。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
堆肥を探している耕種農家さんと堆肥を使って欲しいコンポユーザーさんを繋ぐマッチングサイトをはじめ、堆肥のペレット化のメリット、省スペースで設置が可能なおすすめマシンを紹介します。