食品残さの主な処理方法、代表的な3つのリサイクル方法、リサイクル活用している事例など、紹介しています。
食品残さとは、食品を製造する際に生じた不要物や、食品の売れ残り、加工や調理で生じた野菜くずなどの食品廃棄物のことです。食品リサイクル法では、優先順位の高い順に次の方法が推進されています。
1.発生抑制
2.再使用
3.再生利用
4.熱回収
5.適正処分
食品を扱う業者は、まずは食品廃棄物が出ないように努め、野菜クズを調理に使うなど、再利用を試みる。それでも出てしまった食品残さは、堆肥化や飼料化などを行い、再生利用するのが望ましいとされています。
食品残さの具体的な再生利用には、3つの方法があります。
食品残さの水分を取り除き、微生物に分解・発酵させて肥料を作ります。初期投資が少なく、再生利用の中では、技術的なハードルが低いので、新規参入が容易にできます。
栄養価が豊富な食品残さを有効活用できるとされている方法。飼料化するには、異物の除去や残さの品質維持など、高度な管理が求められますが、食品残さから製造した飼料は、エコフィードとも呼ばれ、畜産農家からの需要が多くあります。
食品残さをメタン発酵することで、バイオガスとして再利用することもできます。設備の導入費用は高いものの、外食産業などから排出される食べ残しなど、分別しにくい食品残さにも対応可能です。
現在、日本では、食品関連事業者、農林漁業者、再生利用事業者が連携して、食品残さのリサイクルループを行うという、素晴らしい取り組みも行われています。下記に九州エリアの事例をご紹介します。
引用元: 農林水産省PDF(https://www.maff.go.jp/tokai/kikaku/jikyu/lecture/attach/pdf/20180627-5.pdf)
ロイヤル株式会社の食品残さ(厨房残さ、廃棄食品、調理くず)計125トン/年を、株式会社トワードがまとめて収集し、㈲鳥栖環境開発綜合センターへ運搬。
㈲鳥栖環境開発綜合センターが、収集した食品残さに副資材を加えて13.2トン/年の肥料を製4造。
作った肥料を使って、株式会社トワードが玉ねぎ、ジャガイモ、だいこん、さつま芋、ソバなど、166トン/年の作物を生産。
作った作物のうち、玉ねぎ40トン/年をロイヤル(株)が引き取り、空港やファミレスで料理を提供。残りの126トン/年は、契約取引先や道の駅で販売。
参照元:(PDF) 農林水産省(https://www.maff.go.jp/tokai/kikaku/jikyu/lecture/attach/pdf/20180627-5.pdf)
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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