食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業から排出される動植物性残さのリサイクル方法、処理方法についてお伝えしています。
動植物性残さとは、食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業の特定業種で原料として使用した、動物性や植物性の固形状の不要物のことです。「特定業種」と指定されていることが注意点で、たとえば、飲食店でも同じように動植物性残さは排出されますが、こちらは一般廃棄物となり、産業廃棄物にはあたりません。
動植物性残さには下記のようなものがあります。
動植物性残さは、そもそも食品の一部だったものが多いため、成分や栄養素を活かした再利用ができます。主なリサイクルの方法は、3つあります。
動植物性残さを微生物に分解させて、バイオガスを発生させる再資源化方法。平成24年に設定された、再生可能エネルギーの固定価格買取制度によって、抽出したバイオガスは、ガスエンジンや発電設備の燃料として売電できます。再資源化するには、水分や3塩分などの含有量、成分の安定性・均一性などが重要。分別機械を導入するなど、設備投資に高額の費用がかかるのが難点でもあります。
参照元:経済産業省 資源エネルギー庁https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html
再資源化の中でも、カンタンにできる方法が堆肥化です。動植物性残さの水分を取り除き、微生物に分解・発酵させて肥料を作ります。動植物性残さには、もともと土を活性化させるリン酸や窒素が含まれているので、優れた品質の肥料として再利用が可能。近隣に農家などがある場合は、とくに好まれる方法です。
タンパク質が豊富に含まれている動植物性残さの場合、動物の高品質な飼料としてもリサイクルが可能です。飼料化するには、異物の除去や残さの品質維持など、高度な管理が求められます。とは言っても、日本で飼料の需要は高く、飼料自給率の向上にも貢献できるため、有益性の高い再資源化方法のひとつとされています。
再資源化に適していない動植物性残さは、下記の方法で処理します。
焼却する際は、委託先の焼却施設が動植物性残さの焼却に対応しているか、また、一日の処理能力が問題ないかを確認して行います。
埋立処分には、管理型最終処分場の利用が必要。埋立地にしみた雨水などが、周辺の地下水や土壌に影響を与えないよう、しっかり対策された管理型最終処分場を選びましょう。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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