畜産経営の規模は次第に拡大していきましたが、畜産経営の持続性のためには、家畜の糞尿等の管理を、適切に実施することが求められました。そこで作成されたのが、堆肥化施設設計マニュアルです。ここでは、堆肥化施設設計マニュアルについてまとめました。
家畜の糞尿等の管理には、堆肥化、汚水浄水化、悪臭対策も考慮することが必要です。従来あった畜産技術指導者等が参考にする家畜糞尿等管理の指導書では、その旨が十分に反映されていませんでした。そこで、国立研究開発法人農研機構や国内施設機械製造業者等の協力を得て、一般社団法人畜産環境整備機構が作成したのが、堆肥化施設設計マニュアルです。堆肥化施設設計マニュアルは、約280ページからなり、詳細な記載と図や統計データも盛り込まれ、畜産農家の堆肥化について分かりやすく説明されています。
この堆肥化施設設計マニュアルは、
といった項目から構成されています。この堆肥化施設設計マニュアルを活用することで、堆肥化施設や機械などのハード面から、堆肥化の基本や利用などのソフト面までの適切な方針・方法を確認できるでしょう。
「堆肥化施設設計マニュアル2020」以外にも、いくつかのマニュアルや報告書が存在しています。
マニュアルや報告書は、改訂されて時代の要請に沿う内容になっています。畜産農家は、これらのマニュアルや報告書を活用して、堆肥化、悪臭対策、堆肥施設の補修、汚水処理等について対策を行うことが可能です。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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