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動物性堆肥の種類

ここではさまざまな動物性堆肥の種類について説明します。それぞれの原材料や作り方、特徴を紹介します。また乾燥堆肥との違いや、動物性堆肥の注意点も解説します。

動物性堆肥の種類

鶏ふん堆肥

原材料は鶏のふんで、発酵・乾燥施設で製造されることが多いです。鶏ふんを堆積させて発酵させ、窒素・リン酸・カリの三要素を多く含み、化成肥料並みの速効性があります。

ホームセンターなどでは粉末タイプが15kg100円程度で安く販売されていますが、ツンとする尿酸の臭いがします。

家庭菜園では、臭いが少ないペレットタイプもありますが、少し割高になります。

牛ふん堆肥

牛のふんを原料とし、通常3〜6ヶ月発酵させて黒いサラサラとした堆肥になります。発酵中は80度の熱を発するため、病原菌が減少し、雑草の種子も死滅するのが特徴。しっかり完熟して臭いもきつくありません。しかし、発酵が未熟なものを土に混ぜると、窒素や酸素が奪われて植物が枯死することもあります。

繊維分が豊富で土壌改良効果が高く、開始初期の土作りに向いています。鶏ふん堆肥に比べると価格が高くなります。

豚ぷん堆肥

豚のふんを堆積発酵させて作ります。肥料分を多く含みますが、繊維分は他の動物性堆肥に比べるとやや少なめです。

肥料効果・土壌改良効果ともに鶏ふんと牛ふんの中間という位置づけで、ホームセンターなどでは扱っていないこともあります。

初めて菜園を行う場合には、前作の残り肥料が期待できないため、豚ぷん堆肥は向きません。

馬ふん堆肥

馬のふんを発酵させた堆肥です。牛ふんと同様に繊維分が豊富なため、土壌の通気性や排水性、保水性を改善するのに向いています。

ただし、牛ふん堆肥より窒素、リン酸、カリ、石灰などの養分が低いため、栄養分というよりは土作り的な資材となります。

乾燥堆肥について

動物性堆肥の中でも「乾燥○○糞」と「○○糞堆肥」という表記の違いを見かけます。同じように見えますが、まったく性質も用途も異なるので注意しましょう。

牛ふんを例にとって説明します。

「乾燥牛ふん」は、発酵処理をせずただ牛ふんを乾燥させたもののことです。土に混ぜると、そこから発酵分解が始まるため、微生物が土の中の窒素や酸素を奪ってしまいます。そこに植物を植えてしまうと、植物が弱ってしまうので気をつけましょう。

一方「牛ふん堆肥」は3〜6ヶ月間発酵させたものです。サラサラした黒い堆肥であり、しっかり完熟していれば嫌な臭いもないのが特徴。

ただし、発酵が未熟なものは土に混ぜると乾燥牛ふんと同じことが起こり、植物が枯死する場合があります。堆肥として使用する際には、完熟した牛ふん堆肥を選ぶようにしましょう。

動物性堆肥の注意点

動物性堆肥は、ふんを原材料にしています。動物が食べた飼料がふんとなり、堆肥となって土壌にまかれるということになります。

注意しなければならないのは、現在国内で飼育されている家畜の飼料は、ほとんどが海外からの輸入飼料ということ。この海外の飼料はほぼ遺伝子組み換えであると言われており、それを食べた家畜のふんが堆肥となって土にまかれ、農作物が作られているということなのです。

さらに問題なのは、家畜の糞尿を畑に入れ、廃棄物処理場のようにしている業者がいるということ。戦前は、堆肥のほとんどが植物性堆肥でしたが、戦後になると食生活が欧米型となり、大量の家畜が飼われるようになりました。その糞尿の捨て場所に困った結果、畑にまかれることになったのです。

しかし、土壌汚染が問題となり、国も完熟した堆肥にして畑にまくよう指導しましたが、現在でも大量の家畜の糞尿が、そのまま畑にまかれているという状況があります。

動物性堆肥は完熟したものを選ぼう

牛、豚、鶏、馬など、家畜の糞尿を完熟させた動物性堆肥には、土壌改良や栄養補給の優れた効果があります。しかし、完熟していない糞尿を土にまくと、逆に植物が枯死したり、土壌汚染となったりするため、注意が必要です。

動物性堆肥を選ぶ際には、完熟したものを選びましょう。

堆肥化の
発酵⽅式は3タイプ

堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。

狭い土地でもOK
手軽さ・におい対策を
重視するなら
密閉型攪拌⽅式
(コンポ)
密閉型攪拌⽅式(コンポ)

断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
10⽇〜16⽇
施設
必要⾯積
⼩規模
臭気
対策
◎ 容易
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農)
初期投資
費⽤
中規模の⼟地があり
メンテナンスの容易差
重視するなら
開放式
(ロータリー・スクープ攪拌)
開放式(ロータリー・スクープ攪拌)

材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜60⽇
施設
必要⾯積
中規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農・肥育牛)
初期投資
費⽤
⼟地が広く、
初期コストの安さ
重視するなら
堆積式
(堆肥舎)
堆積式(堆肥舎)

ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜90⽇
施設
必要⾯積
大規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
酪農・肥育牛
(養豚)
初期投資
費⽤
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