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良質な堆肥の見分け方とは?

農家が求める堆肥の条件や、良質な堆肥を作るためのコツ、見分け方をまとめました。

良質な堆肥は、におい・色・手触りでわかる

完熟している堆肥には、アンモニア臭などの嫌な臭いがしないのが特徴。堆肥特有の優しい臭いがします。また、発酵途中の堆肥では、水分含有量が多くベトベトしますが、完熟した堆肥は、手にとって握ってみると、わずかにサラサラとしています。

良質な堆肥の条件

堆肥化を行う際は、たんに家畜の糞尿やゴミを処理するだけでなく、製品として売り物になる良質な堆肥を作ることも大切です。どの作物にも共通して農家が求める堆肥としては、次のような条件が挙げられています。

使いやすさ

  • 石、ビニール、昆虫などの異物がない
  • ペレットなど軽くて扱いやすい形状
  • 悪臭がない

入手のしやすさ

  • 供給量が安定している
  • 袋詰め、ばら積みなど利用しやすい荷姿

安全性と品質

  • 病原菌、寄生虫、重金属、雑草の種子などを含まない
  • 原料の種類や成分含有量が明記されている

堆肥化を行う際は、これらの条件をクリアした堆肥を作る必要があります。

良質な堆肥づくりのコツ

良質な堆肥を作るための基本が、好気性微生物が活動できる「好気性発酵」を促すこと。堆肥を作る際は、好気性発酵を促す次の3つのポイントに注意しましょう。

通気性を確保する

堆肥づくりで重要となるのが、通気性の確保です。好気性微生物が活動をするための「酸素」を供給するのはもちろん、病原菌や害虫、悪臭を防ぐ目的も兼ねています。家畜ふんは、そのまま堆積しても内部に空気が入り込まないため、オガクズなどの副資材を混ぜたり、定期的に切り返しや撹拌を行うことで通気性を確保します。定期的に切り返しを行うのが大変な場合は、自動で撹拌を行ってくれる密閉型攪拌方式(コンポ)や、開放式(ロータリー・スクープ攪拌)を導入する方法があります。

適切な水分調整

適切な水分量の目安は、牛ふんなら70%、豚ふん・鶏ふんなら60%ほど。水分が多すぎると、通気性が悪くなったり、微生物の増殖が抑制されます。切り返しを行う場合は、オガクズなどの副資材を混ぜて水分調整をします。自分で水分調整をするのが難しい場合は、密閉型攪拌方式(コンポ)であれば、副資材や水分調整不要で発酵できます。

適切な温度管理

病原菌、寄生虫、雑草種子などを不活性化させるには、60度以上の温度が必要です。とくに冬場や寒冷地方では、発酵が進みづらくなるので、外気の影響を防いだり、高温の通気を行って温度管理をします。ただし、80度以上の高温になると、アンモニアが大気中に放出されることで、効用の低い堆肥に…。切り返しと水分調整を行って、適温を保ちます。通気性の確保や水分調整同様、密閉型攪拌方式(コンポ)の場合、温度調整は必要ありません。

堆肥化の
発酵⽅式は3タイプ

堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。

狭い土地でもOK
手軽さ・におい対策を
重視するなら
密閉型攪拌⽅式
(コンポ)
密閉型攪拌⽅式(コンポ)

断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
10⽇〜16⽇
施設
必要⾯積
⼩規模
臭気
対策
◎ 容易
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農)
初期投資
費⽤
中規模の⼟地があり
メンテナンスの容易差
重視するなら
開放式
(ロータリー・スクープ攪拌)
開放式(ロータリー・スクープ攪拌)

材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜60⽇
施設
必要⾯積
中規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農・肥育牛)
初期投資
費⽤
⼟地が広く、
初期コストの安さ
重視するなら
堆積式
(堆肥舎)
堆積式(堆肥舎)

ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜90⽇
施設
必要⾯積
大規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
酪農・肥育牛
(養豚)
初期投資
費⽤
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