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堆肥化に関わる補助金

このページでは、堆肥化に関わる補助金制度(支援制度・支援事業)について紹介しています。補助金ごとに管轄や支援内容、補助対象、要件などが異なります。制度ごとに確認してみましょう。

 

堆肥化プラントで申請可能な補助金制度とは?

  堆肥化プラントに関わる補助金制度には以下のような種類があります。
  • 畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業
  • 堆肥舎等長寿命化推進事業
  • 循環型社会形成推進交付金
  • 畜産環境対策総合支援事業
  • スマート農業の総合推進対策
いずれも堆肥化に関わる支援事業ですが、管轄は農林水産省や環境省など制度によって異なるほか、支援制度の目的・趣旨・要件にも違いがあります。各支援事業の概要と主な要件は以下の通りです。

畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業

畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業は、農林水産省が管轄している畜産クラスター事業向けの補助事業です。畜産クラスター事業における収益性の向上や生産コストの削減、生産基盤強化等を趣旨として、各種補助対象事業への支援が行われています。

応募の要件

  • 全国的な観点から本事業の目的を達成するための事業実施が可能な民間団体等であること
  • 畜産環境対策に精通しており、畜産分野における環境負荷低減に必要な知識及び専門技術について豊富な知見を有していること
  • 試験研究機関、都道府県等との連携の下、全国的な視点で技術等の普及・推進を行うことが可能であること
  • 本事業にかかる会計処理等について、適切な事務能力を有すること
  • 応募に当たって、当該組織の代表権者又は代表権者の承認を得た事業代表者(以下「事業代表者」という。)を申請者とし、事業代表者は、補助事業期間中、日本国内に居住し、事業の管理及び公布された補助金の適正な執行に関し、責任を持つことができる者であること

補助対象の範囲

  • 補助の対象となる経費は、畜産堆肥流通体制支援事業の実施に直接必要な以下の「補助対象経費について」に記載されているもののうち、事業の対象として明確に区分でき、かつ、証拠書類よって金額等が確認できるもののみとします。
  • 応募に当たっては、補助事業実施期間中における所要額を申請していただきますが、事業実施計画等の審査の結果、申請のあった金額から減額する場合があります。
  • 申請額については千円単位で計上してください。なお、補助金の支払いは、原則として、事業終了後の精算払とします。

※引用元:(PDF)令和3年度補正 畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業(畜産堆肥流通体制支援事業)実施主体 公募要領|農林水産省畜産局

堆肥舎等長寿命化推進事業(令和3年度ALIC事業)

堆肥舎等長寿命化推進事業は、経年劣化した家畜排せつ物処理施設の長寿命化を支援するための補助支援制度です。地域における堆肥舎等の長寿命化推進を趣旨として、堆肥舎等の補修に対する支援が行われています。管轄は農林水産省です。

補助対象者

  • 民間団体
  • 生産者団体
  • 生産者等

補助率

  • 定額、2分の1以内

用件等

(独)農畜産業振興機構により実施されます。

※引用元:堆肥舎等長寿命化推進事業(令和3年度ALIC事業)|農林水産省

 

循環型社会形成推進交付金

循環型社会形成推進交付金は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の総合的な推進を目的とする、環境省管轄の交付金制度です。循環型社会形成推進地域計画対象地域の市町村を対象に、廃棄物処理法の基本方針と地域計画が適合する場合に交付金が交付されます。

交付対象事業

  • マテリアルリサイクル推進施設
  • エネルギー回収型廃棄物処理施設
  • エネルギー回収推進施設(平成25年度以前に着手し、平成26年度以降に継続して実施する場合又は当該施設に係る第18項の事業を平成25年度に実施している場合に限る。)
  • 高効率ごみ発電施設(平成25年度以前に着手し、平成26年度以降に継続して実施する場合又は当該施設に係る第18項の事業を平成25年度に実施している場合に限る。)
  • 廃棄物運搬中継施設
  • 有機性廃棄物リサイクル推進施設
  • 最終処分場(可燃性廃棄物の直接埋立施設を除く。)
  • 最終処分場再生事業
  • 廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業(交付率1/3)
  • 廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業(交付率1/2)(し尿処理施設に限る。)
  • 漂流・漂着ごみ処理施設
  • コミュニティ・プラント
  • 浄化槽設置整備事業
  • 公共浄化槽等整備推進事業
  • 廃棄物処理施設基幹的設備改造(沖縄県のみ交付対象)
  • 可燃性廃棄物直接埋立施設(沖縄県、離島地域、奄美群島のみ交付対象)
  • 焼却施設(熱回収を行わない施設に限る。沖縄県、離島地域、奄美群島のみ交付対象)
  • 施設整備に関する計画支援事業

交付の条件

  • 交付対象事業者及び第 10 の指導監督交付金の交付を受ける都道府県は、国の交付金について経理を明らかにする帳簿を作成し、地域計画に定められた交付期間の終了後5年間保存しなければならない。
  • 財産の処分
    (1)交付金の交付の対象となった事業(以下「交付事業」という。)により取得し、又は効用の増加した不動産及びその従物並びに事業により取得し、又は効用の増加した価格が単価50万円以上の機械及び器具、並びにその他環境大臣が定める財産について財産処分を行おうとするときは、「環境省所管の補助金等で取得した財産処分承認基準の整備について」(平成20年5月15日付け環企発第 080515006 号大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知)及び平成20年10月17日付け環廃対発第 0801017004 号大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長通知の別添「廃棄物処理施設の財産処分マニュアル」に基づき行うものとする。

    (2)環境大臣の承認を受けて財産を処分することにより収入のあった場合には、その収入の全部又は一部を国庫に納付させることがある。

    (3)交付事業により取得し、又は効用の増加した財産については、事業完了後においても善良な管理者の注意をもって当該施設の適正なる維持管理をするとともにその効率的な運営を図らなければならない。

    (4)ただし、浄化槽設置整備事業には前3号は適用しない。

※引用元:(PDF)循環型社会形成推進交付金交付要綱|環境省

畜産環境対策総合支援事業

畜産環境対策総合支援事業は、農林水産省が実施している支援事業です。堆肥の高品質化・ペレット化、耕種農家のニーズに対応する「土づくり堆肥」などの生産・流通の促進を通じて畜産環境問題を改善する目的で、各種の支援が実施されています。

主な要件(補助対象経費及び補助対象基準並びに補助率)は以下の通りです。

1 畜産堆肥流通体制支援事業

補助対象経費 補助対象基準 補助率
(1)環境負荷軽減の取組に対する畜産農家等の理解醸成等の促進を図るための検討会の開催に必要な経費 - 定額
(2)環境負荷軽減に取り組む優良事例の収集・調査に必要な経費 - 定額
(3)畜産農家等の理解醸成等を図るための情報発信に必要な経費 - 定額
(4)高品質堆肥の生産等の技術的課題に対する専門家による現地指導等に必要な経費 - 定額
(5)高品質堆肥の流通等の現状や課題に対するコンサルタントによる
改善指導等に必要な経費
- 定額

2 畜産・土づくり堆肥生産流通体制支援事業

補助対象経費 補助対象基準 補助率
(1)好気性強制発酵による堆肥の高品質化の検討、広域流通や海外輸出等の促進を図るための協議会の開催に必要な経費 定額
(2)堆肥及び液肥の成分分析費 - 定額
(3)堆肥造粒機等の導入に必要な経費 堆肥造粒機、堆肥袋詰め機、その他堆肥の流通を促進するために必要と認められる機械とする。 1/2 以内

3 畜産・土づくり施設等導入支援事業

補助対象経費

(1)好気性強制発酵による堆肥等の高品質化、ペレット化等に係る施設等の整備に必要な経費

補助対象基準

  • 1 施設等の整備又は補改修に当たっては、次のアからエ、の要件を全て満たすことを要するものとする。
    ア 家畜排せつ物を原料として好気性強制発酵を用いて肥料を生産する施設等とする。
    イ 整備又は補改修する施設等は、資源循環型社会の形成に資するとともに、周辺住民から理解を得られる適正な規模及び処理能力を備えるものであり、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用して売電するための発電に要する施設として利用しないこと。
    ウ 当該施設等を利用する経営体から発生する家畜排せつ物を適正に処理し得る能力を有すること。
    エ 原料である家畜排せつ物の調達方法、生産された肥料の需要のほか、既存の堆肥生産施設の設置位置、生産能力、稼働状況等を十分に考慮するものとする。
  • 2 施設等の整備又は補改修に当たっては、悪臭や水質汚濁等の公害の発生防止を図る観点から、風向きや施設の配置には十分配慮するものとする。
  • 3 取組主体は、資源循環型社会の形成や大気、水等の環境保全に資するため、家畜排せつ物の適正な管理や臭気及び排水等の経営体外への排出等に際して、関連する環境法令を遵守していること。
  • 4 取組主体は、肥料の品質の確保等に関する法律(昭和25 年法律第 198 号)に基づく登録又は届出及び表示等を適正に行っていること。
  • 5 整備又は補改修する施設等は次のとおりとする。
    ア 堆肥化処理施設(堆肥舎、堆肥発酵施設(密閉型堆肥化装置を含む)、乾燥施設、堆肥調整保管施設、堆肥流通施設(堆肥の流通を促進するための袋詰、ペレット化等の設備を備えた施設)等)、液肥化処理施設(ばっ気槽、貯留槽、スラリータンク等)
    イ アの施設と一体的に整備する設備
  • 6 施設と一体的に整備する設備は、次のアからウまでを全て満たすものとする。
    ア 5で整備する施設と併せて設置する設備であること。
    イ 堆肥又は液肥の水分調整、発酵、調整、ペレット化等の基本的な処理工程に直接関わる設備であること。
    ウ 施設に備え付けられた後は容易に物理的に分離できないか、又は、施設で行われる処理工程の在り方に本質的に関わるものであること。
  • 7 堆肥・液肥の肥料成分等について分析を行い、耕種農家等の堆肥需用者のニーズに合うものを販売すること。
    8 施設の補改修に当たっては、原則として、交付対象となる施設等の整備後の耐用年数が5年以上であること。

補助対象基準

1/2 以内(堆肥舎については、上限事業費を45千円/m2とする。)(液肥化処理施設については、上限事業費を1,000m3未満は 30 千円/m3、1,000m3以上は 25千円/m3とする。 )

4 畜産環境対策推進体制支援事業

補助対象経費 補助対象基準 補助率
(1)高度な畜産環境対策の推進を図るための協議会の開催に必要な経費 定額
(2)臭気測定、水質検査に係る経費 - 定額

5 畜産環境関連施設等導入支援事業

補助対象経費

(1)好気性強制発酵による堆肥等の高品質化、ペレット化等に係る施設等の整備に必要な経費

補助対象基準

  • 1 施設等の整備又は補改修に当たっては、次の要件を全て満たすことを要するものとする。
    ア 脱臭施設を整備又は補改修する場合は、畜舎、堆肥処理施設等から発生する臭気を、悪臭防止法(昭和 46年法律第 91 号)第4条の規制基準以下に処理し得る能力を有すること。
    イ 汚水処理施設を整備又は補改修する場合は、当該施 設を利用する経営体から発生する汚水を水質汚濁防止法(昭和 45 年法律第 138 号)に定める一般排水基準以下に処理し得る能力を有すること。
    ウ 整備又は補改修する施設等は、資源循環型社会の形成に資するとともに、周辺住民から理解を得られる適正な規模及び処理能力を備えるものであり、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用して売電するための発電に要する施設として利用しないこと。
    エ 当該施設等を利用する経営体から発生する家畜排せつ物を適正に処理し得る能力を有すること。
    オ 既存の施設等の設置位置、生産能力、稼働状況等を十分に考慮するものとする。
  • 2 施設等の整備又は補改修に当たっては、悪臭や水質汚濁等の公害の発生防止を図る観点から、風向きや施設の配置には十分配慮するものとする。
  • 3 取組主体は、資源循環型社会の形成や大気、水等の環境保全に資するため、家畜排せつ物の適正な管理や臭気及び排水等の経営体外への排出等に際して、関連する環境法令を遵守していること。
  • 4 整備又は補改修する施設等は次のとおりとする。
    ア 汚水処理施設
    貯留槽、浄化処理施設、スラリータンク等
    イ 脱臭施設
    ウ ア及びイの施設と一体的に整備する設備
  • 5 施設と一体的に整備する設備は、次のアからウまでを全て満たし、周辺環境への影響低減に直接関わるものとする。
    ア 4で整備する施設と併せて設置する設備であること。
    イ 汚水処理の設備に当たっては、固液分離、ばっ気、脱窒等基本的な処理工程に直接に関わり、かつ、施設に備え付けられた後は容易に物理的に分離できないか又は施設で行われる処理工程の在り方の本質に関わるものであること。
    ウ 脱臭処理の設備に当たっては、臭気の吸引、洗浄除去等基本的な処理工程に直接に関わり、かつ、施設に備え付けられた後は容易に物理的に分離できないか又は施設で行われる処理工程の在り方の本質に関わるものであること。
  • 6 施設の補改修に当たっては、原則として、交付対象となる施設等の整備後の耐用年数が5年以上であること。

補助対象基準

1/2 以内(汚水処理施設については、上限事業費を1,000m3未満は 30 千円/m3、1,000m3以上は 25千円/m3とする。 )

※引用元:(PDF)畜産環境対策総合支援事業|農林水産省

スマート農業の総合推進対策

スマート農業総合推進対策は、労働力不足が深刻化する農業に対して、ロボット・AI・IoT等の先端技術の導入を推進してスマート農業を実現することを趣旨・目的とする農林水産省の支援事業です。家畜排せつ物を原料とする堆肥の有効活用を推進するための「ペレット堆肥活用促進のための技術開発・実証」も補助対象事業となっています。

支援対象事業

[1].スマート農業社会実装加速化のための技術開発・実証

  • スマート農業加速化実証プロジェクト
  • スマート農業産地モデル実証
  • ペレット堆肥活用促進のための技術開発・実証

[2].スマート農業普及のための環境整備

  • 農林水産データ管理・活用基盤強化
  • データ駆動型農業の実践・展開支援
  • スマートグリーンハウス先駆的開拓推進
  • 農林水産業におけるロボット技術安全性確保策検討
  • データ駆動型土づくり推進
  • スマート農業教育推進

※引用元:(PDF)令和4年度農林水産関係予算のポイント|スマート農業の総合推進対策

国内肥料資源利用拡大対策事業

日本では従来、肥料原料の大半を海外に依存していました。ウクライナ危機などの影響により、肥料の国際価格が高騰したことを受け、国内資源の肥料利用を活性化する取り組みが重要な課題として認識されています。海外からの輸入原料への依存から、堆肥や下水汚泥資源等の国内資源への転換が必要です。堆肥の流通や下水汚泥からリンを抽出するなど、国内資源の安定供給に向け、各地で取り組みが勧められています。そうした背景の中で、畜産、下水事業者、肥料製造事業者、肥料利用者が連携して国内資源を活用した肥料への転換を進めるために用意されたのが「国内肥料資源利用拡大対策事業」です。農林水産省が実施主体。経費補助率は50%です。補助金の概要は以下のようになっています。

補助対象経費 補助対象基準 補助率
本要綱に基づき行う事業に要する経費 - 1/2以内

国内資源由来肥料を製造するための施設の整備や調査、試作など、国内資源活用に関する取り組みに対して補助金の申請が可能です。補助対象事業や要件、申請方法を紹介します。

補助対象事業

  • 国内肥料資源活用施設総合整備支援:国内資源由来肥料を製造するための施設等の整備を行うもの
  • 国内肥料資源活用総合推進支援 :国内資源由来肥料の活用に向けた調査や肥料の試作、ほ場での効果検証に必要な資材の購入・運搬、機械導入等の取組を行うもの

主な要件

以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 定款、組織規程及び経理規程等の組織運営に関する規程が定められている農業協同組合、農事組合法人、農地所有適格法人、特定農業団体、その他農業者の組織する団体、民間事業者、公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人、地方公共団体等のいずれかであること。
  • 国内資源由来肥料の効果の検証に取り組む農業従事者(原則年間150日以上の常時従事者)が5人以上参加すること。

手続きの流れ

申請書類は、地方農政局長等に提出する必要があります。地方農政局長は、事業実施主体による補助事業の実施場所が北海道に所在する場合にあっては北海道農政事務所長、事業実施主体による補助事業の実施場所が沖縄県に所在する場合にあっては内閣府沖縄総合事務局長、事業実施主体による補助事業の実施場所がその他の都府県に所在する場合にあっては所在地を所管する地方農政局長です。申請書類は、郵送・バイク便を含む宅配便の他、電子メールでも受け付けています。やむを得ない場合には、持参での提出も可能です。

肥料価格高騰対策事業

世界情勢による輸入品の価格高騰は、化学肥料にも影響が及んでいます。生産者である農家の経営が厳しくなっていることから、政府は肥料購入価格の一部をサポートする肥料価格高騰対策事業を始めています。

ここでは、肥料価格高騰対策事業の概要、申請条件などについて解説します。

対象者
  • 農業者グループ(5戸以上の生産者が集まる)
  • 化学肥料使用量を2割低減するための取り組みを2つ以上行っている
対象となる肥料
  • 2022年6月~2023年5月購入分の肥料
支援の内容
  • コスト上昇分の7割について支援金交付を受けられる

「支援金=(当年の肥料費-(当年の肥料費÷価格上昇率÷使用量低減率))×0.7」

自治体によっては、国の支援金にプラスする形の支援を行っているケースもあります。自治体の支援についても調べておくと良いでしょう。

申請にあたっての条件①

対象者となる「5戸以上の生産者が集まる農業者グループ」について確認していきます。こちらは、5戸以上の販売農家による申請は必要となりますが、近隣農家で申請書の作成や提出が求められているわけではありません。

農業者グループは、あくまでも地域のJAや肥料販売店を想定しており、化学肥料販売事業者が生産者を取りまとめることをイメージしています。別の肥料販売事業者で購入した肥料についての申請は、申請対象として登録・届け出された肥料の確認作業に手間を擁してしまうことになるため、基本的には購入した事業者で申請する形となります。

肥料販売事業者以外の店舗(ホームセンターなど)で購入した肥料についても支援対象となりますが、こちらはホームセンター側が申請に対応していないこともあります。この場合は、5戸以上の農業者グループを作って申請しなければいけません。

自分たちで農業者グループを作る場合は、自治体によって手続き方法が異なることがあります。まずは自治体に確認するようにしましょう。

申請にあたっての条件②

申請の対象となる、「化学肥料の2割低減の取り組みを2つ以上実施している」という条件については、農林水産省の目標がベースとなっています。条件として厳しいようにも思えますが、実際に数値目標や達成についての報告が必要なわけではありません。

化学肥料低減に向けた取り組みを行っていること、そしてそれを確認できることができれば、支援がうけられます。

ちなみに、化学肥料使用料2割低減に向けた取り組みは15項目用意されており、こちらから2つを選ぶようになっています。

  • 土壌診断による施肥設計
  • 生育診断による施肥設計
  • 地域の低投入型施肥設計の導入
  • 堆肥の利用
  • 汚泥肥料の利用
  • 食品残渣など国内資源の利用
  • 有機質肥料の利用
  • 緑肥作物の利用
  • 肥料施用量の少ない品種の利用
  • 低成分肥料の利用
  • 可変施肥機の利用
  • 局所施肥の利用
  • 育苗箱施肥の利用
  • 化学肥料の使用料及びコスト節減の観点から施肥量・肥料銘柄を見直す
  • 地域特任技術の利用

報告義務はJAや肥料販売店などの団体であり、個々の農家で報告することはありません。取り組みについての書類を用意し、報告する団体に説明できるようにしておきましょう。

※参照元:農林水産省公式HP/肥料価格高騰対策事業

補助金を活用してプラントを導入した事例

堆肥化プラントの導入で補助金を活用した事例を紹介します。

肉牛・乳牛農家への高品質な堆肥化施設の導入を実現

補助金活用の事例1

引用元:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000085654.html)

「畜産クラスター補助金事業」に参画する肉牛・乳牛の農業法人が、補助金を活用して高性能な家畜糞尿の堆肥化施設の導入を実現した事例です。新設備の導入により処理能力の向上、必要労働力の低減、環境に配慮した堆肥化が可能になりました。

活用した補助金

  • 畜産クラスター補助金
  • 中小企業等経営強化法に基づく税制措置(税制優遇)

参照元:PR TIME|肉牛・乳牛農家に糞尿の堆肥化装置の導入決定、【畜産クラスター補助金】と【法人税特別税制措置】を活用

事業再構築補助で「食品リサイクルループ」を創出

補助金活用の事例2

諏訪・伊那地域における「食品リサイクルループ」の創出に補助金を活用した事例。コロナ禍の影響により主力事業(一般産業廃棄物収集等)が苦戦を強いられる中、補助金活用で事業転換を図り、食品の廃棄物をリサイクルして高品質な堆肥を生産する食品リサイクルループを創出し、事業再構築と地域における持続可能な社会実現への貢献を目指しています。

活用した補助金

  • 事業再構築補助金

参照元:事業再構築補助金・ものづくり補助金の申請代行サポート(CPA)

バイオガスプラント設備投資へ補助金活用

補助金活用の事例3

引用元:(PDF)家畜排せつ物のメタン発酵によるバイオガスエネルギー利用(https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/pdf/2020_sympo_asai.pdf)

バイオガスプラントへの設備投資に補助金を活用した事例です。バイオガスプラントの想定金額は¥628,900,000(税不明)ですが、補助金の想定金額は¥398,000,000(税不明)となっており、巨額な投資コストを減殺しています。※設備投資額はいずれも概算金額で、バイオガスプラント設備投資に係る土木建築費は補助対象外。

活用した補助金

活用した補助金の名称は事例参照元に記載されていませんでした。

参照元:家畜排せつ物のメタン発酵によるバイオガスエネルギー利用

補助金活用で破砕効率が向上

補助金活用の事例4

引用元:(PDF)宮城県 |省エネルギー・新エネルギー・3R関連 施策活用事例集(https://www.pref.miyagi.jp/documents/12865/839472.pdf)

バイオガス発電事業を運営する会社で、新設備を導入するため補助金を活用した事例です。補助金活用で新たに設計・導入した破砕機の効果により、破砕効率が向上しバイオマス原料(動植物性残渣)の受入量の増加を実現しました。

活用した補助金

  • みやぎ産業廃棄物3R等推進設備整備事業

参照元:宮城県 省エネルギー・新エネルギー・3R関連 施策活用事例集

堆肥化の
発酵⽅式は3タイプ

堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。

狭い土地でもOK
手軽さ・におい対策を
重視するなら
密閉型攪拌⽅式
(コンポ)
密閉型攪拌⽅式(コンポ)

断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
10⽇〜16⽇
施設
必要⾯積
⼩規模
臭気
対策
◎ 容易
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農)
初期投資
費⽤
中規模の⼟地があり
メンテナンスの容易差
重視するなら
開放式
(ロータリー・スクープ攪拌)
開放式(ロータリー・スクープ攪拌)

材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜60⽇
施設
必要⾯積
中規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
養豚・養鶏
(酪農・肥育牛)
初期投資
費⽤
⼟地が広く、
初期コストの安さ
重視するなら
堆積式
(堆肥舎)
堆積式(堆肥舎)

ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法

発酵⽇数
(⼀次処理)
30⽇〜90⽇
施設
必要⾯積
大規模
臭気
対策
△ 難しい
適⽤
畜種
酪農・肥育牛
(養豚)
初期投資
費⽤
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