良質な堆肥の作り方、副資材の特徴など、堆肥化を行う上で知っておきたい基礎知識をまとめました。
そもそも堆肥とは、家畜のふん尿、食品残渣、稲わら、落ち葉などを、微生物の力で分解発酵させた有機質肥料のことです。中でも、家畜のふん尿を堆肥化させたものは「動物性堆肥」と呼ばれ、植物性堆肥に比べると、リン酸、カリウム、窒素といった栄養成分が豊富な特徴を持っています。
堆肥の作り方は、堆肥施設の種類によって変わってきます。
植物性堆肥は、わら堆肥・バーク堆肥のこと。肥料成分が少ない代わりに、炭素を多く含んでいます。土壌改良効果が高く、土全体の通気性や保水性がよくなることによって、植物が柔らかく、育ちやすい土壌が出来上がります。
動物性堆肥は、牛や豚などの家畜のふん尿を堆肥化させています。植物性堆肥に比べて、リン酸、カリウム、窒素といった栄養分を多く含んでいて、土壌改良効果もありますが、肥料のようにも使わます。家畜の種類によってもその効果や持続性が異なります。
無人運転や臭気対策が容易にできることから、作業量が少なく済みます。初期費用は高いものの、省スペースに設置ができ、ランニングコストにも優れた方法です。
密閉型攪拌方式と同様、発酵スピードが早く、ボタン1つで撹拌、搬送、逆搬送の切替しが可能です。臭気対策が難しいため、近隣への配慮等が必要です。
すでに持っているショベルローダーなどを使って、堆肥舎で堆肥化を行います。初期費用、ランニングコストともに優れていますが、作業量が多く、臭気対策にも手間がかかります。堆肥化を行う際は、このように施設ごとの違いや、良い堆肥を作るための知識を身につけておくことが大切です。下記に堆肥づくりの基礎知識をまとめたので、よかったらこちらも目を通してみてください。
副資材とは、堆肥の発酵に必要な通気性を確保するために、あらかじめ家畜のふんに混ぜる材料のこと。開放式or堆肥舎を導入する際は、種類や選定ポイントをチェックしておきましょう。
堆肥はさまざまな有機物を原料としていて植物性堆肥と動物性堆肥の2つのグループに分類されます。それぞれの堆肥によって特徴や効果は大きく異なります。
また分解が進む発酵工程も大きく一次発酵、二次発酵、その前に行われる商品として流通させるための製品化工程の大きく3つに分けられます。これら三つの工程が堆肥化の基本工程。終了したものが製品堆肥となって提供されます。
良質な堆肥には、異物や菌の混入がなく、扱いやすい形状で、供給量が安定していることなどが求められます。良質な堆肥を作るにはどうすれば良いか、3つのコツをお教えします。
畜産農家にとって、さまざまなメリットがある堆肥化。環境面、コスト面など、堆肥化施設の導入で得られるメリットや、デメリットについても知っておくと失敗が少なくなります。
家畜の糞尿処理にかかる費用や、施設別に堆肥化の費用相場をリサーチ!堆肥化にかかる費用(施設投資費・ランニングコストの内訳)も詳しくお伝えしています。
有機物を発酵させる過程で排ガスや汚染水を排出するごみ高速堆肥化施設を建設するとき、周辺環境への配慮が必要であるため、基本計画に基づき実施することが必要です。そこで、環境省は廃棄物処理施設の基準を定め、手引書を公開しています。ここでは、ごみ高速堆肥化施設の設置について、詳しく説明しています。
生ごみを再利用する堆肥化事業は、循環型社会を形成するために重要です。そこで、国は堆肥化プラント建設のために補助金を出し、地方自治体は堆肥化も出る事業を実施しています。ここでは、堆肥化事業について詳しく説明しています。
堆肥化事業に関わる補助金はいくつかあり、実施機関や目的、補助対象事業、補助率、各種の要件などに違いがあるため、申請前に内容を確認しておくことで適切な補助を受けられます。堆肥化に関わる補助金をピックアップしましたので、参考にしてみてください。
畜産農家等が、施設で排出される家畜の糞尿等の処分を共同で行うという取り組みも行われています。共同で家畜の糞尿等から堆肥を生産する施設を共同利用堆肥化施設といいます。そして、循環型社会のためにこうした家畜等の堆肥を生産することは大切ですが、共同利用堆肥化施設も経営的に成り立つことが必要です。現在、大規模な公的施設より、小規模な民間施設の方が計得状態は良い傾向になります。
畜産経営が持続可能であるためには、家畜の糞尿等に対する管理を適切に実施することが必要です。家畜の糞尿対策には、堆肥化、汚水浄水化、悪臭対策が必要で、その方針や方法を記載したマニュアルや報告書が求められています。そこで、一般社団法人畜産環境整備機構は、堆肥化施設設計マニュアルを定めました。また、その他の堆肥化マニュアルも存在しています。
コンポスト化・ペレット・バイオマスプラント・汚泥(スラッジ)好気性細菌など、堆肥に関してわからない用語がある際は、こちらの用語辞典をご活用ください。
嫌気性発酵とは、酸素を遮断した無酸素の状態で発酵を行い、堆肥を生産する方法です。現在の日本では好気性発酵が主流となっていますが、嫌気性発酵には酸素を使う微生物の活動が伴わないため、急速な分解が行われません。そのため、地球環境に影響を与えるとされる温室効果ガスが発生しにくいという利点があります。
堆肥は、家畜が排泄したふんなどを利用して作られる肥料です。堆肥化には発酵と呼ばれる過程が必要ですが、好気性・嫌気性のどちらについても温室効果ガスと呼ばれる物質が発生するため、複数の研究調査の結果から、堆肥化の過程で通気量の制御や亜硝酸酸化細菌の添加を行い、温室効果ガスの削減が試みられています。
堆肥を作るためのコンポストにもさまざまな種類があります。それぞれの特徴や使い方、堆肥の作り方や注意点、堆肥を作るメリットを説明しています。コンポストを導入する参考にしてみましょう。
堆肥と腐葉土、似ていますが違いがあります。堆肥とは動植物由来の有機物を発酵させたもので、生ゴミや落ち葉などが原材料となります。一方、腐葉土は広葉樹の落ち葉が発酵したものです。それぞれの特徴や作り方を紹介しています。
植物性堆肥とは、腐葉土やワラ堆肥、バーク堆肥、もみ殻堆肥など、植物由来の堆肥のことを指します。それぞれの原材料ごとに、作り方や特徴、効果などを紹介しています。また原材料そのものの堆肥以外の使い方もまとめました。
動物性堆肥とは、牛や豚、鶏、馬などの家畜のふんを発酵させて作られた堆肥のこと。それぞれの原材料や作り方、特徴を紹介します。また乾燥堆肥との違いや、動物性堆肥の問題点もまとめました。
作物の生長を促すために、土壌の通気性や排水力、透水力などを改良するために用いるのが土壌改良資材です。土壌改良資材でできることや、資材の種類を知ることで、作物に適した土壌改良資材を使うことができるようになります。
土壌のpH値を中和させるために、そして作物にカルシウムを与えるために用いるのが、石灰資材です。石灰資材ではどんなことができるのか、どんな種類があるのかを知ることで、より良い作物が育てられるようになります。
雑草堆肥は、雑草を使って作られている堆肥のことです。その土に生えてきた雑草をそのまま使い、土に栄養を与えます。メリットが多いもののいくつかデメリットもあるため、どちらも知ったうえで雑草堆肥の利用を検討しましょう。
堆肥は、土壌に住む微生物が動植物の死骸や落ち葉などの有機物を分解してつくられます。
有機物を分解する微生物は複数存在し、一定の温度下で活発に働きます。
良質な堆肥をつくるためには、微生物の働きが重要となるため、農園などで適切な環境を与える必要があります。
ペレット堆肥は、牛・豚・鶏などの糞尿を発酵、圧縮、乾燥させてつくられる肥料です。
従来の堆肥に比べ軽量で、形状が均一のため取り扱いやすい特徴があります。ただし、デメリットもあるため、どちらも知ったうえでペレット堆肥の使用を検討しましょう。
正常な作物の育成のために、堆肥の電気伝導度(EC)を把握することは重要です。可能であれば、定期的な土壌分析を行い、電気伝導度(EC)を管理することが望ましいでしょう。電気伝導度(EC)が高値の場合は、適切な方法で下げることになります。作物の栽培スケジュールやコスト、手間を考慮して、適切な方法を選択しましょう。
「堆肥」と「ぼかし肥料」の違いは「土づくり」と「作物への栄養」という点にあります。作物の正常な育成のために、「堆肥」も「肥料」も重要な役割を果たします。よい堆肥(肥料)、悪い堆肥(肥料)の見極め方は「におい・触感・目視」などの体感で行えます。定期的に堆肥やぼかし肥料の選別を行い、悪い堆肥やぼかし肥料を使い続けることのないよう、気をつけましょう。
生ごみをはじめ、複雑化、多様化している廃棄物を無公害化し、安全に処理する堆肥プラントには様々な種類があり、必要な機能が備わっている機器が導入されています。ここでは、当サイトにも掲載されている企業が取り扱っている堆肥プラントの導入事例と廃棄物処理の工程を解説しています。
汚泥リサイクルをおこなう堆肥プラントにも種類があり、導入する企業によって処理フローなども変わってきます。この記事では、4つの堆肥プラントをピックアップして、それぞれの処理フローなどを紹介しています。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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