食品残さを利用して製造する飼料・エコフィードのメリット、問題点、エコフィードに取り組んでいる企業の事例を紹介しています。
畜産業や食品産業でも積極的に取り組んでいるエコフィードですが、次のような問題点も挙がっています。
エコフィードの原料には、さまざまな種類の食品残さがあるので、原料によって栄養価が変わってきます。一般的には、エコフィードは、高水分、高蛋白質、高脂肪なものが多く、例えば、豚の肥育後期に与えると、厚脂や軟脂になり、品質が低下してしまうケースなども。また、需要の多さに対して、食品リサイクル工場の製造能力が追いついていないことも、課題のひとつです。そのため、畜産農家自らが食品残さを収集し、飼料化するケースもあります。
エコフィードとは、食品を製造する際に生じた不要物、食品の売れ残り、加工や調理で生じた野菜くずなどの食品残さをリサイクルして製造した飼料のことです。
2021年、農林水産省が飼料自給率目標を引き上げましたが、この施策の一環としてエコフィードが期待されています。
エコフィードを導入する畜産農家によっては、食品産業との連携により、畜産動物のブランド化に成功しているケースもあります。下記に事例を紹介します。
肥育前期用(高カロリー、高タンパク)、肥育後期用(炭水化物中心)の2種類のエコフィードを使い分けることで肉質が安定。望来豚(もうらいとん)としてブランド化に成功しています。
飼養頭数 | 母豚193頭 |
---|---|
エコフィード給与量 | 1135.6トン/年(混合割合66.9%) |
食品残さの調達先 | 食品工場 |
使用原料 | 牛乳、ホエイ、ジャガイモ、麺、パン粉、小麦粉など |
収集した食品残さを自社で手作業で分別し、エコフィードと肥料を製造。生産された豚肉は、南津軽昔豚(レトロポーク)として販売しています。
飼養頭数 | 肥育豚約60頭 |
---|---|
エコフィード給与量 | 105トン/年(混合割合99.8%) |
食品残さの調達先 | コンビニ、スーパー、外食産業等 |
使用原料 | 余剰食品(弁当類、パン、乳製品)、野菜クズなど |
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
堆肥を探している耕種農家さんと堆肥を使って欲しいコンポユーザーさんを繋ぐマッチングサイトをはじめ、堆肥のペレット化のメリット、省スペースで設置が可能なおすすめマシンを紹介します。