家畜の糞尿処理費用、堆肥化のコストについて紹介します。調査件数が少ないので、あくまで目安ではありますが、家畜の糞尿処理費用は、その方法や、畜産農家の規模によっても変わってきます。数ある処理方法の中でも、堆肥化には下記の費用がかかります。
堆肥化にかかる費用は、施設の種類によっても大きく変わってきます。各堆肥化施設の標準モデルにおける費用目安として、下記の試算データも公開されていたのでご紹介します。
密閉縦型 | スクープ | ロータリー | 堆肥舎 | |
---|---|---|---|---|
機械費 | 3,300万円 | 1,300万円 | 210万円 | 0円 |
施設費 | 200万円 | 1,500万円 | 1,000万円 | 1,760万円 |
建設費合計 | 3,500万円 | 2,800万円 | 1,210万円 | 1.760万円 |
密閉縦型 | スクープ | ロータリー | 堆肥舎 | |
---|---|---|---|---|
電気代 | 100万円 | 36万円 | 20万円 | 0円 |
機械燃料費 | 6万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
修理その他 | 5万円 | 8万円 | 2万円 | 0円 |
副資材 | 0円 | 150万円 | 80万円 | 270万円 |
資本利子 | 77万円 | 61.6万円 | 26.6万円 | 38.7万円 |
合計 | 494万円 | 574万円 | 351.4万円 | 406.9万円 |
※密閉縦型の耐用年数は10年、他の機械は5年とした場合
※副資材はオガクズ(2,000円/㎥)を使用した場合
参照元:各処理施設の標準モデルにおける建設コスト試算(https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/036/805/h13_shidou52.pdf)
農林水産省の調べによると、家畜のふん尿処理について、処理方法別に下記の費用実態が公開されています。
水分調整 | 太陽熱利用 | 個液分離 | スリラー化処理 | 共同堆肥化 | |
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調査事例数(戸) | 10 | 6 | 5 | 3 | 5 |
経産牛頭数(頭) | 79.8 | 87.8 | 62.6 | 100.7 | 121 |
施設・機械の投資額 | 1,127万円 | 2,567万円 | 2,148万円 | 1,416万円 | 1,512万円 |
堆肥1トン当たり処理費用 | 8,400円 | 12,200円 | 11,900円 | 4,400円 | 8,700円 |
※参照元:農林水産省 家畜ふん尿処理及び利用経済性(https://www.leio.or.jp/pub_train/publication/tkj/tkj09/tokus092.pdf)
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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