生ゴミや落ち葉などから堆肥を作るコンポストについて、種類や使い方を説明します。コンポストを利用する際の注意点や、コンポスト導入のメリットについても言及しています。コンポスト導入の参考にしてみてください。
コンポスター(コンポストを作る容器)の下部分を庭などに受けるタイプのコンポストです。上部にはフタが付いており、生ゴミや落ち葉、雑草などを入れます。コンポスターがいっぱいになったら、2〜3ヶ月熟成させれば堆肥が完成します。
樽型で回転するようになっており、サイドに生ゴミや落ち葉の投入口があります。回転させることによって酸素を効率よく供給し、堆肥化を促進します。ただし、乱暴に扱うと取っ手などが壊れてしまうことがあるので気をつけましょう。
コンポスターに生ゴミと「ぼかし」と呼ばれる米ぬかや発酵促進剤などを入れ、密閉して発酵させます。このままでは生ゴミは分解されないため、1ヶ月程度は土に移す必要があります。嫌気性で強い発酵臭が生じるため、マンションなど隣家などが気になる場合には注意が必要です。
ダンボールを庭やベランダに置き、資材と生ゴミを入れてよくかき混ぜるだけのコンポストです。最後に3週間ほど熟成させて完成します。安価で簡単ですが、2〜6ヶ月ごとに交換しなければなりません。
専用のバッグに基剤と家庭の生ゴミを入れてよくかき混ぜます。虫などが入りにくいように、ファスナーで上部が閉じるようになっています。コンパクトで手軽なので、住宅密集地やマンションのベランダなどでも利用できます。
温風で生ゴミを乾燥させ、堆肥にしたり炭化させたりするコンポストです。資材を入れて自動回転させるタイプなどもあります。室内に設置できますが、本体が高価な上に電気を使います。また使用する際には音が出ます。
名前の通り、資材と一緒にミミズを入れた容器に生ゴミを入れるコンポストです。ミミズが生ゴミを食べて分解し、堆肥にしてくれます。ただし、ミミズが食べない柑橘系など、入れられない生ゴミもあります。
①野菜の生ゴミは新鮮なうちに細かく切り、しっかり水切りをして下処理をします。
②下処理ができた生ゴミをコンポストに入れ、土をかぶせます。土の量は生ゴミより少なくするのがポイント。またコンポスト内が乾燥していたら、新鮮な水を足しましょう。水分は多すぎても少なすぎても堆肥化が進まないため、目安は手で触ってしっとり感じる程度に保ちます。
③生ゴミと土を重ねただけでは発酵効率が悪いため、コンポストの中身を混ぜます。その後①〜③を繰り返し、コンポストが満タンになったら1〜2ヶ月放置して熟成させます。熟成中も2週間に1度程度はコンポストの中をかき混ぜましょう。
コンポストには、入れて良いものと悪いものがあります。基本的にはご飯や麺、野菜、肉、魚など、人が食べる部分の生ゴミを入れます。卵の殻やたまねぎの皮など、食べない部分の生ゴミは分解に時間がかかってしまいます。入れる量は、1日300〜500gが目安です。
また、コンポストの種類によって臭いが異なりますが、悪臭の原因となるものは水分です。野菜の生ゴミはよく水を切ってから入れるようにしましょう。また、生肉や魚が多すぎる場合も悪臭が発生しやすくなります。
コンポストには生ゴミを入れるため、虫が出ることはあります。対策としては、容器や基材に虫や卵が入っていないか確認してから投入すること。さらにコンポストにカバーをかけると、外から虫が入るのを防げます。
万が一うじ虫が発生したら、米ぬか・天ぷら油・糖分を入れると分解が促され、温度が上がって卵が死滅します。
それでも虫がいる場合には、コンポストの中身をすべて透明ビニール袋に移して天日干ししましょう。強い日差しであれば1日でOK。虫がいなくなったら、中身を容器に移して再開します。
よく生ゴミが出る飲食店はもちろん、その他の会社でもコンポストの導入はメリットがあります。ゴミが減るのはもちろん、ゴミを出すための費用が省け、最終的にはゴミ焼却が減って二酸化炭素の排出量削減に協力できます。
できた堆肥は、自社で使わなくても学校や地域の農家などに還元し、環境活動をアピールできます。
会社でコンポストに取り組むことにより、社員も各家庭でコンポストを導入するきっかけにもなります。
生ゴミや落ち葉など、普通ならゴミとして処理していたものを、堆肥化して有効に使うコンポスト。ゴミの削減だけでなく、二酸化炭素を排出しないことにも貢献でき、できた堆肥はガーデニングや地域の学校・農家などに分けることも可能。
SDGsに何から取り組んでよいかわからないなら、まずは手軽にできるコンポスト導入からはじめてみてはいかがでしょうか。
堆肥化を行う方法は、撹拌に機械を使う方法(密閉・開放)、堆肥舎で堆積する方法の2種類、3タイプ。
どの方法が適しているかは、何を重視するかで異なります。
断熱密閉された円形の発酵槽を使用し、全自動で撹拌作業を行い、堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
10⽇〜16⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
⼩規模 |
臭気 対策 |
◎ 容易 |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
材料を定期的に機械で撹拌し、少しずつ移動させながら堆肥化させる方式
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜60⽇ |
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施設 必要⾯積 |
中規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
養豚・養鶏 (酪農・肥育牛) |
初期投資 費⽤ |
⼤ |
ショベルローターなどを運転して切り返しを行い、長時間の堆積で堆肥化する方法
発酵⽇数 (⼀次処理) |
30⽇〜90⽇ |
---|---|
施設 必要⾯積 |
大規模 |
臭気 対策 |
△ 難しい |
適⽤ 畜種 |
酪農・肥育牛 (養豚) |
初期投資 費⽤ |
少 |
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